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物忘れと認知症の初期症状について
誰もが一度は経験する物忘れは、日常生活における一般的な現象です。
物をどこに置いたか忘れたり、人の名前が思い出せなかったり、約束を忘れたりすることは、多くの人にとって普通のことです。
これらは、人間の記憶力には限界があり、特に加齢に伴う自然な物忘れとして考えられます。
しかし、物忘れが頻繁に発生するようになり、日常生活に支障をきたすようになる場合、それは認知症やその他の脳疾患の初期症状である可能性があります。
認知症の初期段階では、単なる忘れ物を超えて、重要な情報や最近の出来事を忘れることが増え、仕事や家庭生活に影響を及ぼすことがあります。
物忘れが自分自身や周囲の人々によって指摘されるようになった場合は、それが単なる老化の一部なのか、それとも認知症などのより深刻な病態の兆候なのかを見極めることが難しいことがあります。
このような変化に気づいた時には、専門的な評価を受けることが推奨されます。
適切な診断と早期の治療により、症状の管理や進行を遅らせることが可能になります。
そのため、物忘れが気になり始めたら、遅れずに医療機関に相談することが大切です。
加齢による物忘れの特徴
「うっかり」の忘れ
何かを忘れがちですが、指摘されると「あ、そうだった」と思い出すことができます。
これは加齢に伴う自然な現象であり、進行速度は比較的緩やかです。
細かいことの忘れ
大事な体験そのものは記憶していますが、その詳細や細部を忘れることがあります。
日常生活への影響が少ない: 日常生活や長い間培ってきた技能に大きな支障はありません。
認知症による物忘れの特徴
自覚がない
本人は自分が忘れっぽくなっていることに気づかないことが多いです。
体験そのものを忘れている
重要な出来事や体験そのものを完全に忘れてしまうことがあります。
日常生活への大きな影響
日常的な活動や長年にわたって習得した技能にも明らかな支障が出始めます。
判断力の低下
物事の適切性を判断する能力が失われ、しばしば不適切な行動を取ることがあります。
脳疾患による物忘れ
脳疾患による物忘れは、様々な脳の異常が原因で起こることがあります。
主な疾患には慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、水頭症が含まれます。
これらの状態はMRIやCTスキャンを用いた画像診断によって発見することが可能です。
脳疾患に伴う物忘れの特徴とそれに伴う症状
慢性硬膜下血腫
- 頭痛
- 吐き気と嘔吐
- 麻痺やしびれ
- 痙攣
- 言葉の出にくさ
- 意欲の低下
脳腫瘍
- 頭痛
- 吐き気と嘔吐
- 視力の低下
- 表情の引きつり
- 体の片側の麻痺
水頭症
- 頭痛
- 吐き気と嘔吐
- 食欲不振
- 倦怠感
これらの症状が現れた場合、脳に何らかの異常が起きている可能性があります。
早期発見と適切な治療が必要です。
治療によって症状の進行を遅らせるか、改善するためには迅速な対応が求められます。
物忘れがある・物忘れがひどいと感じた場合は一度ご相談を
物忘れが増えてきたと感じたら、それが単なる加齢によるものなのか、それとも認知症の警告信号なのかを見極めることが重要です。
また、普段の生活で起こる忘れ物は誰にでもありますが、加齢と認知症の違いを正しく理解することは非常に重要ですので、ご自身記憶の変化に気づいた場合や周りに指摘された場合などは、適切な診断を受けましょう。
早期発見と適切な対応が、生活の質を維持し、可能な限り自立した生活を送るための鍵です。
当院では、土曜日に脳神経外科を行なっておりますので、もし心配な症状があれば一度ご相談いただくことをお勧めします。