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頻尿とは何か?
多尿が進むと、その結果、尿を排泄する回数が増え、これを頻尿と呼びます。
成人で日中8回以上、または夜間に2回以上トイレに起きる必要がある場合を指し、頻繁にトイレに行く必要があるという症状は、単なる生活習慣の影響だけでなく、腎臓病や他の深刻な疾患のサインである可能性があります。
正常な状態では夜間に尿が濃縮され、トイレの回数が減るのですが、腎機能の低下により尿の濃縮力が低下すると、夜間に頻繁にトイレに行く必要が出てきます。
尿の透明度が高まることも、尿の濃縮力が低下している兆候です。
腎臓とナトリウムの関係
腎臓は体内のナトリウム(塩分)バランスを調節する機能も持ちます。
腎機能が低下すると、摂取したナトリウムを日中に適切に排泄できず、それが夜間に排泄されることになり、これが夜間の頻尿を引き起こします。
腎臓病の初期症状としての頻尿の重要性
腎臓病は初期に症状がほとんど現れないことが多い病気です。
しかし、多尿や頻尿は比較的早期に現れる症状であり、腎臓病の早期発見や早期診断に繋がる重要な兆候です。
「特に水分を多く摂取していないのに尿量が増えた」、「最近、頻繁に尿意を感じる」といった変化に気づいた場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
腎臓病以外で頻尿が考えられる原因
前立腺肥大
頻尿の主な原因の一つとして、特に高齢男性に多く見られる前立腺肥大があります。
前立腺が肥大することにより、尿道が圧迫され、頻繁に小便をする必要が出てきます。
膀胱炎と過活動膀胱
膀胱炎による膀胱粘膜への刺激も、頻尿を引き起こす一因です。
また、過活動膀胱は膀胱が意志に関係なく勝手に収縮する状態を指し、日本では約800万人以上が患っています。
過活動膀胱は加齢に伴う老化が原因であることが多いものの、その発生原因はしばしば不明です。
膀胱容量の低下
膀胱の容量が低下すると、少量の尿で膀胱が満たされ、頻繁にトイレに行く必要が生じます。
睡眠障害とホルモンの影響
夜間の頻尿は、睡眠障害によって引き起こされることがあります。
眠りが浅いと、日中と同様に尿意を感じやすくなります。
また、抗利尿ホルモンの分泌不足によっても夜間の尿量が増加し、頻尿となることがあります。
頻尿が気になったら検査を
検査が必要な理由
頻尿の原因を特定するためには、様々な医療検査を受ける必要があります。
特に、腎臓病が疑われる場合、複数の検査を通じて腎機能の状態を把握することが重要です。
主な検査方法
血液検査
血液検査では、腎臓の機能に関連する指標である血中尿素窒素(BUN)と血清クレアチニン(Cr)の値を測定します。
これらは腎臓によってろ過されるべきたんぱく質の代謝産物であり、腎機能の低下を示す重要な指標です。
腎機能が正常であれば、これらの老廃物は効率的に排泄されますが、腎臓の機能が低下していると血液中にこれらの物質が蓄積します。
尿検査
尿検査を通じて、尿中にたんぱく質が漏れていないかを確認します。
腎臓のろ過機能が損なわれると、通常は血液中に留まるはずのたんぱく質が尿中に現れるようになります。
ただし、発熱や激しい運動後など一時的な状況でもたんぱく質が尿中に出ることがあるため、詳細な診断が必要です。
腹部超音波検査
腹部超音波検査では、腎臓の形や大きさを詳細に調べることができます。
この検査により、腎臓自体の異常だけでなく、前立腺肥大や残尿の有無など、他の泌尿器系の問題も同時に確認することが可能です。
尿の量が異常な場合はご相談を
頻繁にトイレに行く必要があるという症状は、単なる生活習慣の影響だけでなく、腎臓病や他の深刻な疾患のサインである可能性があります。
特に、腎臓の機能が低下することで尿の濃縮力が弱まり、夜間に何度もトイレに起きることが増えることがありますので、一度当院へご相談ください。